「サンシャインクリーニング」[2009年07月19日(日)]
平たく言ってしまえば、「リトルミスサンシャイン」に続く負け犬応援歌第2弾。
ただ前作に比べると、A.ブレスリンのダンスやA.アーキンの不良じいさんという飛び道具が抜けて、リアルでシビアな物語に仕上がっている。
高校チアリーディング部のアイドルから、今はシングルマザーでハウスクリーニングのバイトで食いつないでいる姉・ローズ。
父親と同居し、バイト先を転々とする暮らしから抜け出せない妹・ノラ。
ローズは不動産資格取得のために勉強しに行くといってはモーテルで不倫。しかも相手が振り向いてくれる見込みもない。
一生懸命頑張っているはずなのに上手くいかない。それでも一人息子、大人になれない妹、言動に実践が伴わない父を率いるのは自分しかいないと思い、なおも歯を食いしばって頑張る。
A.アダムスは、「ダウト あるカトリック学校で」のときにも思ったが、「魔法にかけられて」のプリンセスの風貌を湛えつつきちんと役にハマっているところが良い。
一方のノラは、一見直情的な性格に見えるが、実は繊細で優しい心根の持ち主であることが次第に明らかになる。
でもそれ故に上手く渡り歩けないもどかしさが後半に表面化してしまう。最後の決断が切ない。
この作品、姉妹が始めた犯罪現場の清掃業という舞台設定が何よりユニークである。
事件は日常の何気ない場所で発生する。そこには事件以前、事件以後は同じ平穏な空気が流れており、ただ一つ、事件の痕跡だけが異彩を放っている。
そこから類推する日常の歪み。普通につながっていた平穏が何故切れてしまったのか。
それには日々歯を食いしばって生きている彼女ら、そして我々にとっても単なる他人事と受け流せない気にさせられる。
ある現場で出てきた身分証明書や写真を放っておけなかったノラと、無視して業務に集中するよう言い聞かせたローズ。
この場面は、生きることに対する二人の姿勢が対照的に出ていておもしろかった。結局、ノラと写真の主・リンは道を違えることになってしまったのだが。
他にも、いいなーと思う場面は多かった。
特に挙げなければいけないのは、ローズが同級生のベビーシャワーの席で「サンシャインクリーニング」社の仕事について堂々と包み隠さず話した場面。
過去を引きずりこそこそしていた自分への決別は潔し。あれで直後の事故さえなければね。
あとは、備品販売店の店員ウィンストンの存在にほわっとさせられたことにも触れておかなければならない。
(70点)
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